出版マーケティングとは?本を売るだけで終わらせず、集客・ブランディングにつなげる方法

本を出版することが決まると、原稿の執筆や編集、タイトル、表紙など、本を完成させるための作業に意識が向きがちです。しかし、よい本を作れば自然に多くの人へ届き、仕事や問い合わせにつながるとは限りません。

出版直後にSNSで何度か告知したものの、その後は何を発信すればよいかわからない。
書籍は完成したけれど、自分のサービスや会社の事業には結びついていない。

こうした状況は、決して珍しいものではありません。

出版マーケティングとは、書籍の販売数を伸ばすためだけの活動ではありません。書籍を通じて専門性や思想を伝え、認知、信頼、問い合わせ、採用など、事業上の成果につなげる一連の設計です。

大切なのは、出版後に慌てて宣伝を始めることではなく、出版前から「誰に何を届け、その先でどのような関係をつくりたいのか」を考えておくこと。本記事では、出版前・発売時・出版後に行う具体的な施策と、本を長期的な事業資産へ変える考え方を解説します。

INDEX −目次−

出版マーケティングとは

出版マーケティングとは、読者や市場のニーズを踏まえて書籍を企画し、必要とする人へ届け、書籍を起点に認知や信頼、集客などの成果を生み出す取り組みです。

一般的なマーケティングが「誰に、どのような価値を、どのような方法で届けるか」を考える活動であるように、出版マーケティングでも、読者、提供価値、届け方を設計します。違いは、その中心に書籍という情報量が多く、信頼性の高いメディアがあることです。

書籍は、短い広告やSNS投稿では伝えきれない考え方やノウハウ、背景にある思想を体系的に届けられます。そのため、単に本を買ってもらうだけではなく、「この人の考え方をもっと知りたい」「この会社に相談してみたい」と感じてもらう接点にもなります。

「本を売るマーケティング」と「本を活用するマーケティング」の違い

出版マーケティングには、大きく分けて二つの視点があります。一つは本そのものの販売数を伸ばすこと。もう一つは、本を通じて著者や企業の事業を前進させることです。

本を売るマーケティングでは、予約数、販売部数、書店での展開、Amazonランキング、レビュー数、重版などが主な成果になります。SNS、広告、書店での販促、出版記念イベントなどを活用し、できるだけ多くの読者へ本を届けます。

一方、本を活用するマーケティングでは、著者名や会社名の指名検索、Webサイトへの訪問、メルマガ登録、セミナー参加、問い合わせ、商談、採用応募なども成果として捉えます。書籍販売だけでなく、SEO、PR、イベント、営業、サービス導線まで含めて考えるのが特徴です。

どちらか一方だけが正しいわけではありません。本が売れることで認知が広がり、その認知が仕事につながることもあります。ただし、事業への波及を期待するなら、販売施策とは別に「読者が本を読んだあと、どこへ進めばよいか」を設計しておく必要があります。

出版社の販促と著者のマーケティングは役割が異なる

商業出版の場合、「出版社が宣伝してくれるはず」と考える方もいるでしょう。出版社は、書店への営業、流通、販売促進、メディアへの案内などを担います。ただし、どこまで対応するかは出版社や書籍によって異なります。

著者側にしかできないこともあります。既存の顧客やコミュニティへの案内、自身のSNSやメルマガでの発信、出版テーマに関するセミナー、営業先への書籍提供、Webサイトやサービスへの導線づくりなどです。

出版社と著者では、持っている接点と得意な領域が違います。出版社にすべてを任せるのでも、著者が一人で抱え込むのでもなく、出版前に役割を確認し、それぞれの強みを生かすことが重要です。

出版マーケティングで期待できる5つの効果

発売前から読者との接点をつくり、発売時に複数のチャネルで情報を届けることで、書籍を知ってもらう機会が増えます。特に新刊として店頭に並ぶ時期は限られるため、予約から発売直後にかけての動きを計画することが大切です。

ただし、同じ告知を何度も繰り返すだけでは、受け手にとっては売り込みに見えてしまいます。なぜこの本を書いたのか、どのような人に読んでほしいのか、制作中に何を考えたのかなど、複数の切り口で届けましょう。

書籍は、これまで著者や企業を知らなかった人との接点になります。書店、Amazon、メディア、イベント、口コミなど、普段の情報発信とは異なる場所で見つけてもらえる可能性があります。

本のタイトルやテーマと、著者が提供しているサービスが結びついていれば、「この分野に詳しい人」「この課題を相談できる会社」として認識されやすくなります。

書籍では、断片的なノウハウではなく、課題の背景、考え方、解決までのプロセスを体系的に説明できます。読者は著者の知識だけでなく、何を大切にしているのか、どのような視点で問題を捉えるのかまで理解できます。

そのため、初めて会う相手にも、事前に本を読んでもらうことで一定の信頼を形成できます。営業や商談の場で、最初から細かな自己紹介をしなくても、専門性を共有した状態から話を始められることもあります。

書籍を読んで課題が明確になった読者は、次の行動を探します。そのとき、著者のWebサイト、無料資料、診断、セミナー、相談窓口などが見つかれば、接点を継続できます。

反対に、検索しても古いプロフィールしか出てこない、Webサイトを見ても何を相談できるかわからない、問い合わせ先が見つからないという状態では、せっかく生まれた関心が途切れてしまいます。

本のテーマが明確であれば、講演、研修、取材、寄稿、対談などの依頼につながる可能性があります。企業の場合は、営業だけでなく、採用、社内教育、組織理念の浸透に書籍を活用することもできます。

つまり、出版の成果は印税や販売部数だけでは測れません。書籍を起点に生まれた仕事や関係性まで含めて捉えることで、出版の本当の価値が見えやすくなります。

出版マーケティングというと、完成した本をどう宣伝するかという話に見えます。しかし、本を事業につなげたい場合、最も重要なのは出版前の設計です。
企画や執筆がほぼ終わってから、「この本を誰に売ろう」「どのサービスにつなげよう」と考えても、書籍のテーマと事業のターゲットがずれていると、自然な導線をつくりにくくなります。

同じ出版でも、目的によって企画やマーケティング施策は変わります。たとえば、次のような目的が考えられます。

  • 書籍を多くの人に届け、販売や重版を目指す
  • 専門家としての認知を広げる
  • 自社サービスへの相談や問い合わせを増やす
  • 法人案件、講演、研修につなげる
  • 採用や社内教育に活用する

目的を一つに絞る必要はありませんが、優先順位は必要です。すべてを同時にかなえようとすると、読者もメッセージも曖昧になります。最も実現したい成果を決めたうえで、副次的な成果を設定しましょう。

出版テーマを考えるときは、「自分が書きたいこと」だけでなく、「読者が知りたいこと」と「事業として支援したい相手」を重ねます。

たとえば、経営者向けのコンサルティングにつなげたいのに、書籍が同業者向けの専門技術だけで構成されていると、読者は増えても顧客との接点が生まれにくいかもしれません。反対に、サービスの宣伝を前面に出しすぎると、読者にとって読む価値の低い本になります。

読者にとって単独でも価値のある内容を提供しながら、その先に著者の専門領域や事業が自然につながっている状態が理想です。

読者に本を読み終えたあと、どのような行動を取ってほしいでしょうか。著者名を検索してほしいのか、無料資料を受け取ってほしいのか、診断を試してほしいのか、セミナーへ参加してほしいのか。

次の行動が決まれば、書籍内に入れる情報、Webサイトに用意するページ、発売後の発信内容も決めやすくなります。

本のテーマを決めてから売り方を考えるのではなく、「どのような読者との関係をつくりたいか」から本の企画と導線を逆算する。これが、出版を一度きりの出来事で終わらせないための重要な考え方です。

STEP1.出版の目的とKPIを決める

まず、出版を通じて実現したいことを決めます。そのうえで、販売部数や重版だけでなく、指名検索数、Webサイトへの訪問数、資料請求数、問い合わせ数、商談数など、目的に合った指標を設定します。

STEP2.読者と顧客の解像度を高める

年齢や職業だけではなく、どのような課題を抱え、どのタイミングで本を手に取り、何を知りたいのかを具体化します。既存顧客へのヒアリングや、過去に寄せられた相談、検索キーワード、SNSでの反応も参考になります。

STEP3.選ばれるテーマと切り口を設計する

同じ分野の本がすでに多く出版されている場合、テーマが広すぎると埋もれます。既存書籍を調べ、誰に向けた本なのか、どの課題に答えるのか、著者だから語れる経験や視点は何かを整理しましょう。

差別化のために奇抜な言葉をつくるのではなく、読者が抱えている問題を、これまでとは異なる角度から理解できる切り口を探すことが大切です。

STEP4.発売前から情報発信と協力者づくりを始める

出版が正式に発表できるようになったら、制作の背景や問題意識、本で扱うテーマについて少しずつ発信します。発売日だけ告知するより、読者が本の誕生に立ち会っている感覚を持てるため、応援や口コミが生まれやすくなります。

また、書籍のテーマに関係する専門家、メディア、コミュニティ、取引先など、協力をお願いできる相手を整理します。発売直前に突然依頼するのではなく、早い段階から関係をつくっておきましょう。

STEP5.発売時に複数チャネルを連動させる

SNS、メルマガ、LINE、Webサイト、プレスリリース、イベント、広告、書店などを単独で動かすのではなく、同じ期間に連動させます。複数の場所で繰り返し目にすることで、「最近よく見る本」と認識されやすくなります。

ただし、すべてのチャネルを使う必要はありません。読者がいる場所と、自分がすでに持っている接点を優先します。

STEP6.本からWeb・診断・セミナーへの導線をつくる

本を読んだ人が次に進めるよう、専用ページ、無料資料、診断、動画、セミナーなどを用意します。書籍内には、検索しやすい著者名や会社名、短く覚えやすいページ名、QRコードなどを掲載します。

ここで重要なのは、いきなり高額なサービスを売り込まないことです。本を読んだ直後の関心度に合った、負担の小さい次の一歩を用意しましょう。

STEP7.出版後もコンテンツを展開し続ける

書籍には、多くのコンテンツの種が含まれています。各章をSEO記事、SNS投稿、動画、メルマガ、セミナー、研修資料などに再編集できます。

同じ内容をそのまま転載するのではなく、媒体や読者に合わせて切り口を変えます。一冊の本を起点に複数の接点をつくることで、発売直後だけでなく、長期間にわたって新しい読者へ届けられます。

出版前・発売時・出版後に行う具体的な施策

出版前に行う施策

  • 著者サイト、企業サイト、プロフィールを整える
  • 本のテーマに関連するSEO記事を公開する
  • SNSやメルマガで問題意識や制作過程を発信する
  • 読者候補や既存顧客へヒアリングする
  • 予約キャンペーンや出版記念企画を準備する
  • メディアリストとプレスリリースの企画をつくる
  • 協力を依頼したい人やコミュニティを整理する

出版前は、本を売るための準備だけでなく、読者を受け止める環境を整える期間です。検索されたときに、著者の専門性や提供サービスがわかる状態をつくっておきましょう。

発売時に行う施策

  • SNS、メルマガ、LINEで複数のチャネルから告知する
  • プレスリリースを配信し、個別にもメディアへ提案する
  • 出版記念イベント、セミナー、対談を開催する
  • 書店やAmazonの購入ページへわかりやすく誘導する
  • 関係者、顧客、コミュニティへ協力を依頼する
  • 読者の感想や投稿を紹介し、会話を広げる

発売時は、著者自身が一方的に発信するだけでなく、読者や関係者が参加できる余白をつくることがポイントです。感想を投稿しやすい問いやハッシュタグ、イベントなどがあると、本を中心にしたコミュニケーションが生まれます。

出版後に行う施策

  • 各章の内容をSEO記事やSNS投稿に再編集する
  • 書籍のテーマでセミナー、研修、講演を行う
  • 診断、チェックリスト、ワークシートを提供する
  • 営業や商談、紹介の場で書籍を活用する
  • 読者の反応や活用事例を蓄積する
  • 季節や社会動向に合わせてメディアへ再提案する
  • 次の商品、サービス、出版企画へ展開する

出版後は「まだ本を宣伝しなければ」と考えるより、本に含まれる価値を別の形で届けると考えると、発信を続けやすくなります。

書籍から問い合わせにつなげる導線設計

本を読んだ人が著者に好感を持っても、そのまま問い合わせにつながるとは限りません。読者は、相談できることを知らないかもしれませんし、自分が相談対象に当てはまるか判断できないこともあります。

そのため、書籍から問い合わせまでの間に、いくつかの接点を用意します。たとえば「本を読む→著者名を検索する→Webサイトを見る→無料資料を受け取る→メルマガを読む→セミナーへ参加する→相談する」という流れです。

すべての読者が同じ順番で進むわけではありませんが、複数の入り口があれば、その人に合ったタイミングで関係を深められます。

書籍内に検索・アクセスのきっかけをつくる

著者名や会社名を検索してもらうだけでなく、書籍のテーマと連動した専用ページ、無料資料、診断、動画などを用意すると、行動の理由が生まれます。

たとえば、書籍で考え方を理解した人が、自分の現在地を確認できる診断やチェックリストを利用できれば、読書を実践へつなげられます。著者にとっても、関心の高い読者と継続的な接点を持てます。

Webサイト側に「読者の次の一歩」を用意する

Webサイトには、著者プロフィールだけでなく、どのような課題を支援しているのか、どのようなサービスがあるのか、相談すると何が整理できるのかを明確に掲載します。

株式会社風ひらくでは、ホームページのリニューアル後5か月で、Webサイト経由から個人伴走2件、法人案件2件の成約が生まれました。法人案件では、サイトを見た段階で、すでに「一緒にやる前提」に近い状態で相談をいただいたケースもあります。

これは出版による成果ではありませんが、関心を持った人を受け止めるWebサイトと情報導線の重要性を示す事例です。書籍によって信頼が高まっても、その先の受け皿が曖昧であれば、相談にはつながりません。反対に、考え方、専門性、サービスが一貫して伝わる環境があれば、売り込まなくても検討が進んだ状態で問い合わせが生まれます。

売り込まずに相談につなげる

書籍は読者に価値を届けるためのものであり、長い営業資料にしてはいけません。本文中に何度もサービス案内を入れると、読者の信頼を損ねる可能性があります。

大切なのは、書籍だけでも十分に学びがある状態をつくったうえで、「さらに自分に合わせて考えたい人」へ次の選択肢を示すことです。無料資料、診断、セミナー、個別相談など、段階の異なる導線を用意すると自然です。

出版マーケティングでよくある7つの失敗

1.出版すること自体が目的になっている

「本を出す」という目標はわかりやすい一方、出版後に何を実現したいかが決まっていないと、完成した瞬間にプロジェクトが終わります。企画段階で、出版の先にある成果を言語化しましょう。

2.発売後にマーケティングを考え始める

発売後からでもできることはありますが、Webサイトや無料コンテンツ、PR企画、イベントを準備するには時間がかかります。出版前から逆算して進める方が、発売時の機会を生かせます。

3.SNSで告知を繰り返すだけになる

「本を出版しました」「ぜひ買ってください」という投稿だけでは、フォロワー以外へ広がりにくく、同じ相手に何度も売り込む状態になります。本の背景、読者の悩み、各章のテーマ、制作の裏側、感想など、発信の切り口を増やしましょう。

4.書籍の読者とサービスの顧客がずれている

多くの人が関心を持つテーマでも、自社の顧客と重ならなければ、事業への波及は限定的です。販売数を優先するのか、特定の顧客との関係を優先するのかによって、企画の判断も変わります。

5.出版社に販促を任せきりにする

出版社が持つ流通や書店との関係は大きな力です。一方、著者の顧客、コミュニティ、専門家ネットワーク、Webサイトは著者にしか活用できません。役割を分担し、双方の接点を組み合わせましょう。

6.本から問い合わせまでの導線がない

読者が著者へ関心を持っても、相談できる内容や窓口がわからなければ行動できません。著者名や会社名の検索結果、Webサイト、プロフィール、問い合わせページを出版前に確認しておきましょう。

7.販売部数だけで成否を判断する

販売部数は重要な指標ですが、出版によって生まれる価値の一部です。指名検索、問い合わせ、商談、講演依頼、採用、既存顧客との関係強化なども含めて評価する必要があります。

出版マーケティングを成功させる5つのポイント

1.本・著者・事業のコンセプトを揃える

本で伝えるテーマ、著者の専門性、提供するサービスが一貫していると、読者は「何の専門家なのか」を理解しやすくなります。出版だけを独立したプロジェクトにせず、事業全体の中で位置づけましょう。

2.単発の施策ではなく全体導線を設計する

SNS、PR、イベント、SEO、広告は、それぞれ単独で実施するより、役割を決めてつなげた方が効果を発揮します。何で知り、どこで理解し、どの接点で信頼し、どのように相談するのかを俯瞰しましょう。

3.出版社と著者の役割を明確にする

出版社が行う施策、著者に期待されている活動、利用できる販促物、書店やメディアへの働きかけ方を事前に確認します。重複や抜けを防ぎ、互いの活動を連動させます。

4.本の内容を複数のコンテンツへ展開する

書籍は完成品であると同時に、コンテンツの母体でもあります。章、事例、問い、図解などを、記事、動画、投稿、セミナーへ再編集することで、本を知らない人にも内容が届きます。

5.短期の販売と長期の事業成果を分けて測る

発売前後は予約数や販売数、レビュー、イベント参加者数などを見ます。中長期では、指名検索、問い合わせ、商談、受注、講演依頼などを追います。期間の異なる成果を分けることで、施策を正しく評価できます。

出版マーケティングの成果を測る指標

出版マーケティングでは、目的に応じて次のような指標を設定します。すべてを追うのではなく、自分たちの目的に近いものを選びましょう。

認知:メディア掲載数、SNSリーチ、指名検索数
興味:著者サイト訪問数、記事閲覧数、プロフィール閲覧数
信頼:メルマガ登録数、資料ダウンロード数、診断利用数、セミナー参加数
商談:問い合わせ数、相談数、商談数
成約:契約件数、売上、法人案件、講演・研修依頼
書籍:予約数、販売数、レビュー数、重版

書籍を読んだ人がすぐ問い合わせるとは限りません。数か月後に課題が顕在化したとき、著者を思い出して相談することもあります。短期間の数値だけで判断せず、指名検索や問い合わせ経路を継続的に確認することが大切です。

出版マーケティングは、本を「事業資産」に変える取り組み

出版直後の話題は、時間とともに落ち着きます。しかし、本に込めた専門性や思想まで価値を失うわけではありません。

書籍の内容をSEO記事として検索から届ける。セミナーや研修に展開する。営業先へ渡し、事前に考え方を理解してもらう。読者向けの診断やワークシートをつくる。こうした形で活用すれば、一冊の本が長期的に新しい関係を生み出します。

出版マーケティングで大切なのは、出版後に本を宣伝し続けることではありません。「誰に、どのような価値を届け、その先でどのような関係をつくるのか」を出版前から設計することです。

本を単体の商品として見るのではなく、著者の専門性、Webサイト、サービス、PR、イベント、営業をつなぐ中心的なコンテンツとして捉える。そうすることで、出版は一度きりの出来事ではなく、認知と信頼を積み重ねる事業資産になります。

出版マーケティングに関するよくある質問

出版マーケティングは出版前と出版後、どちらから始めるべきですか?

可能であれば出版前から始めましょう。目的、読者、読後の導線を先に決めることで、書籍の企画と発売後の施策を一貫させられます。すでに出版済みでも、書籍の内容を記事やセミナーに展開し、Web導線を整えることは可能です。

商業出版でも著者自身のマーケティングは必要ですか?

必要です。出版社は流通や書店展開などを担いますが、著者の顧客、SNS、メルマガ、コミュニティ、Webサイトは著者にしか活用できません。出版社と相談しながら役割を分担しましょう。

SNSのフォロワーが少なくても出版マーケティングはできますか?

できます。SNSだけが手段ではありません。SEO記事、メルマガ、既存顧客、取引先、業界団体、セミナー、メディアへの企画提案など、読者と接点を持つ方法は複数あります。フォロワー数より、届けたい相手との接点を選ぶことが重要です。

出版マーケティングにはどのくらい費用がかかりますか?

実施する施策によって異なります。自分で行うSNSやメルマガ発信は費用を抑えられますが、広告、Webサイト制作、PR支援、イベント開催などには費用がかかります。まず目的と優先施策を決め、必要な範囲から予算を組みましょう。

本を出版すると本当に集客につながりますか?

出版しただけで自動的に集客できるわけではありません。書籍の読者とサービスの顧客が重なっていること、読者が次に進めるWebサイトや無料コンテンツがあること、出版後も接点を継続することが必要です。

出版後、どのくらいの期間マーケティングを続けるべきですか?

発売直後の集中期間だけでなく、その後も書籍の内容を継続的に展開することが理想です。同じ告知を続けるのではなく、記事、セミナー、事例、季節の話題など、異なる切り口で本の価値を届けましょう。

出版社はどこまで本の宣伝をしてくれますか?

対応範囲は出版社や契約、書籍ごとに異なります。書店営業、販促物、プレスリリース、広告、イベントなど、何を予定しているか事前に確認してください。そのうえで著者側の施策を計画します。

本の販売数以外に、どんな成果を測ればよいですか?

指名検索数、Webサイトへの訪問数、資料請求、メルマガ登録、セミナー参加、問い合わせ、商談、受注、講演や研修の依頼などが考えられます。出版の目的に合った指標を選びましょう。

まとめ

出版マーケティングとは、本を売るための宣伝だけではなく、書籍を起点に認知、信頼、集客、事業成長へつなげる一連の設計です。

出版前に目的と読者を定め、発売時には複数の接点を連動させ、出版後は本の内容を別のコンテンツへ展開する。そして、読者が次に進めるWebサイトや無料コンテンツを用意する。これらを一貫して考えることで、本の価値は発売直後だけで終わりません。

株式会社風ひらくでは、出版を単独の施策として捉えるのではなく、著者や企業の専門性、事業、Webサイト、発信、サービス導線まで含めて整理します。

出版を検討している方、本を出したものの事業につながっていない方は、出版後に実現したい状態から一度全体を見直してみてください。

参考情報

日本書籍出版協会「著作権Q&A」

風ひらく「代表プロフィール・著書紹介」

風ひらく「無料相談・お問い合わせ」

この記事の著者

青野まさみ

株式会社風ひらく 代表取締役
マーケティングプランナー/ブランディングプロデューサー

サイバーエージェント、博報堂グループでマーケティング・ブランド戦略を経験後、スタートアップ企業の立ち上げに参画。

2019年に独立し、現在は「株式会社風ひらく」代表として、企業・個人あわせて年間200件以上のマーケティング・ブランド支援を行う。

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