「ホームページを作ったのに、問い合わせがほとんど来ない」
「リニューアルしたけれど、反響が増えなかった」
「アクセス数はあるのに、相談や商談につながらない」
このような悩みを抱えている中小企業は少なくありません。
問い合わせが増えないとき、まず考えるのは、デザインを変えること、SEO記事を増やすこと、問い合わせフォームを短くすることかもしれません。
もちろん、見た目のわかりやすさやアクセス数、フォームの使いやすさは大切です。ただし、ホームページから問い合わせが来ない原因は、デザインだけではありません。
顧客がサイトを見たときに、
「自社の悩みに合いそう」
「この会社なら相談できそう」
「依頼したら、どんな状態に変わるのかイメージできる」
と感じられる情報と導線が整っているかどうかが重要です。
ホームページは、名刺代わりの会社案内ではありません。顧客が問い合わせる前に、「この会社なら相談できそう」と判断するための営業資産です。
この記事では、ホームページから問い合わせが来ない会社に共通する7つの問題、簡易診断、改善の方向性を解説します。
ホームページは、会社案内ではなく「相談する理由」をつくる営業資産
BtoBの顧客は、問い合わせ前に複数の情報を確認している
BtoBの顧客は、ホームページを見たらすぐに問い合わせるわけではありません。特に、金額が大きいサービスや、社内で複数人が意思決定に関わる商材では、問い合わせ前に複数の情報を確認します。
たとえば、次のようなことです。
・自社と似た課題に対応できるか
・どのような実績があるか
・依頼すると、どんな流れで進むのか
・どのくらいの期間がかかるのか
・どんな担当者が対応するのか
・相談する前に知っておくべきことはあるか
紹介で知った会社であっても、まずホームページを見ることがあります。そのとき、必要な情報が十分に載っていなければ、候補から外れてしまうこともあります。
ホームページは、営業担当者に会う前の「予備商談」の役割を持っています。
アクセス数だけ増えても、問い合わせは増えない
ホームページへのアクセス数は大切です。ただし、アクセス数が増えれば、自動的に問い合わせも増えるわけではありません。狙っている顧客とは異なる人が来ている可能性もあります。顧客が求めている情報にたどり着けず、そのまま離脱している可能性もあります。
サービスページを読んでも、何を相談できるのかわからない。
事例が少なく、自社に近いケースを見つけられない。
記事を読んだ後、次にどこを見ればよいかわからない。
このような状態では、アクセス数だけ増えても成果にはつながりません。
SEO、コンテンツ、サービスページ、事例、CTA、問い合わせ後のフォローまでを一つの流れとして整える必要があります。
ホームページから問い合わせが来ない7つの理由
1. 誰に向けたホームページなのか曖昧
問い合わせが来ないホームページでは、ターゲットが曖昧になっていることがあります。
「幅広い業種に対応しています」
「どんな課題でもご相談ください」
「豊富な経験で柔軟に対応します」
このような表現は、間口が広く見える一方で、顧客にとっては「自社向けのサービスなのか」がわかりにくくなります。顧客は、自分に関係があると思えなければ、読み進めません。
まずは、次のような項目を整理しましょう。
・どのような業種の企業か
・企業規模はどのくらいか
・誰が課題を感じているのか
・どんなタイミングで相談が発生するのか
・顧客は、どんな言葉で悩みを表現しているのか
全員に伝えようとするのではなく、まず最も支援したい顧客へ向けて言葉を整えることが大切です。
2. 顧客の悩みより、自社サービスの説明が中心
会社紹介、沿革、サービス一覧は必要です。ただし、自社の説明ばかりになっていると、顧客は「自分の悩みを理解してくれそう」と感じにくくなります。
顧客が知りたいのは、サービスの名称や機能だけではありません。
「今の課題を理解してくれるのか」
「どのような悩みに対応できるのか」
「相談すると、どこから整理してもらえるのか」
ということです。
よくある悩み、相談が発生する背景、課題が放置されたときに起きることを、顧客の言葉で示しましょう。
たとえば、BtoBマーケティング支援であれば、
・ホームページはあるが、問い合わせがほとんどない
・展示会やセミナーを実施しても、商談につながらない
・営業担当者はいるが、新規開拓が紹介頼みになっている
・施策は実施しているが、何が成果につながったのかわからない
といった悩みを具体的に示すことで、顧客は自分との接点を見つけやすくなります。
3. 「なぜ自社が選ばれるのか」が伝わらない
問い合わせを増やすには、競合との違いが伝わることも重要です。ただし、差別化というと、特別な実績や珍しい機能を探そうとしがちです。実際には、顧客が選んでいる理由は、もっと具体的なところにあることもあります。
「専門的な内容を、わかりやすく説明してくれる」
「課題を整理してから、必要な施策を提案してくれる」
「戦略だけで終わらず、現場に合わせて伴走してくれる」
「社内にノウハウが残るように進めてくれる」
「レスポンスが早く、安心して相談できる」
こうした強みは、抽象的な言葉だけでは伝わりません。「高品質」「柔軟な対応」「豊富な実績」と書くだけではなく、何がどのように違うのかを具体的に示す必要があります。
顧客が選んだ理由や、紹介者が使っている言葉を整理すると、自社の強みを見つけやすくなります。
4. 依頼した後の未来が見えない
サービス内容は詳しく書かれている。しかし、依頼後に何が変わるのかがわからない。
このようなホームページも少なくありません。顧客が知りたいのは、サービスの機能一覧だけではありません。依頼した結果、自社の課題がどう整理され、どんな状態に変わるのかです。
たとえば、
「問い合わせが増える」
だけでなく、
「営業担当者が新規開拓に追われ続ける状態から、ホームページや資料を通じて相談が生まれ、商談の質を高めることに時間を使える状態へ変わる」
と示すほうが、顧客は変化をイメージしやすくなります。また、支援前と支援後の違い、進め方、期間、顧客が準備することも具体的に示しましょう。
強みを尖らせ、実績を公開し、依頼後の未来を見せているサービスは、相談につながりやすくなります。
5. 実績・事例・安心材料が不足している
初めて問い合わせる会社に対して、顧客は少なからず不安を感じます。その不安を減らすために必要なのが、実績や事例、安心材料です。たとえば、次のような情報です。
・導入事例
・支援実績
・顧客の声
・支援の流れ
・よくある質問
・料金イメージ
・担当者のプロフィール
事例は、企業名や数字を出せるほど良いとは限りません。
企業名を公開できない場合でも、
・どのような課題があったのか
・何を整理したのか
・どのような施策を行ったのか
・どのような変化があったのか
を匿名で掲載できます。
大切なのは、実績の数ではありません。顧客が「自社に近いケースだ」と感じられる事例があることです。
6. 問い合わせのハードルが高い
問い合わせフォームしか入口がない場合、まだ検討段階の顧客は離脱しやすくなります。
「問い合わせるほどではないけれど、もう少し詳しく知りたい」
「まずは資料を見て、社内で検討したい」
「どんな相談ができるのか知りたい」
という人もいます。
問い合わせを増やすためには、顧客の検討段階に合わせた入口が必要です。
たとえば、
・サービス資料のダウンロード
・導入事例
・よくある相談内容
・セミナー
・メルマガ
・個別相談
・問い合わせフォーム
などです。
フォームの項目数も見直しましょう。必要以上に入力項目が多いと、途中で離脱される可能性があります。
今すぐ商談したい人だけでなく、まず情報収集したい人にも、次の行動を示すことが大切です。
7. 問い合わせ後の営業フォローとつながっていない
ホームページを改善して、問い合わせが増えたとしても、その後の営業フォローが整っていなければ、成果にはつながりません。
問い合わせ後の返信が遅い。
資料ダウンロード後に、何も案内していない。
セミナー参加者へのフォローがない。
今すぐ商談にならない見込み顧客を、そのまま放置している。
このような状態では、せっかく得た接点を活かせません。
問い合わせ後、誰が、何日以内に、どのように連絡するのか。
一次ヒアリングでは、何を確認するのか。
資料送付、商談、フォロー、再提案をどのように進めるのか。
今すぐ商談にならない顧客と、どのように接点を持ち続けるのか。
ホームページの改善だけでなく、問い合わせ後の営業プロセスまで整える必要があります。
問い合わせが来ないホームページ診断|自社はいくつ当てはまる?
ここで、自社のホームページを振り返ってみましょう。
次の項目に、いくつ当てはまるでしょうか。
□ どんな会社に向けたサービスなのか、トップページを見てもわかりにくい
□ 顧客のよくある悩みや相談内容が掲載されていない
□ 競合と比べて、なぜ自社を選ぶべきか説明しにくい
□ サービスを依頼した後、どのように変わるのかイメージしにくい
□ 導入事例、支援実績、顧客の声が少ない
□ 支援の流れ、期間、料金イメージがほとんどわからない
□ 問い合わせフォーム以外の入口がない
□ 資料ダウンロード、セミナー、メルマガなどの接点がない
□ 問い合わせフォームの項目が多く、入力の負担が大きい
□ ホームページへのアクセス数や流入キーワードを把握していない
□ 問い合わせ後、誰が何日以内に対応するか決まっていない
□ 問い合わせ数、商談数、受注数をつなげて確認していない
当てはまる項目が多いほど、ホームページから問い合わせを取りこぼしている可能性があります。
目安として、0〜3個の場合は、基盤があります。弱いページや導線を補強していきましょう。
4〜7個の場合は、問い合わせを取りこぼしている可能性があります。顧客理解、事例、CTAを優先的に見直すタイミングです。
8個以上の場合は、サイト単体ではなく、営業・マーケティング導線全体の再設計を検討することをおすすめします。
※このチェックは、現在地を把握するための簡易診断です。業種や商材によって、優先して見直すべき項目は異なります。
ホームページから問い合わせを増やすために、まず整えたい5つのこと
問い合わせを増やすために、いきなりすべてのページを作り直す必要はありません。
まずは、顧客が相談するまでの流れを整理し、弱い箇所から改善していきましょう。
1. 狙う顧客と課題を明確にする
最初に、誰に向けたサイトなのかを整理します。業種、企業規模、役職、課題、相談が発生するタイミングを明確にしましょう。
顧客の悩みは、顧客の言葉で表現することが大切です。
たとえば、
「新規顧客獲得支援」
という表現だけでなく、
「紹介で仕事は来るが、ホームページからの相談がほとんどない」
「展示会やセミナーを実施しても、商談につながらない」
「営業担当者に任せているが、何を改善すべきかわからない」
と書くことで、顧客は自分との接点を見つけやすくなります。
2. 選ばれる理由と、依頼後の未来を言語化する
顧客インタビュー、受注理由、紹介者の言葉を整理します。
自社の強みは、抽象語ではなく、具体的に示しましょう。
「丁寧に対応します」だけでなく、
「経営と現場の認識差を整理し、施策の優先順位を決め、社内で運用できる状態まで伴走します」
と示すほうが、違いが伝わりやすくなります。
また、サービス内容だけでなく、依頼後の変化も示します。顧客が知りたいのは、何をしてくれるかだけではありません。その結果、自社がどのように変わるのかです。
3. 事例・実績・安心材料を整える
問い合わせ前の不安を減らすために、次の情報を整えます。
・導入事例
・支援実績
・顧客の声
・よくある質問
・支援の流れ
・料金イメージ
・担当者のプロフィール
すべてを一度に用意する必要はありません。まずは、顧客が特に不安に感じやすいことから追加しましょう。
事例では、課題、支援内容、変化を具体的に示します。
4. 顧客の検討段階に合わせた入口をつくる
すべての顧客が、最初から問い合わせフォームを送るわけではありません。
まずは記事を読みたい人。
事例を確認したい人。
サービス資料を見たい人。
セミナーに参加したい人。
個別に相談したい人。
検討段階に合わせて、複数の入口を用意しましょう。記事を読んだ後、サービスページや資料ダウンロードへ自然に移動できるようにすることも重要です。
CTAは、サイト全体で一つに統一するのではなく、ページの役割に合わせて設計します。
5. 問い合わせ後の営業プロセスまで整える
問い合わせ数だけでなく、商談数、受注数まで確認しましょう。
問い合わせ後、誰が、何日以内に返信するのか。
資料ダウンロード後に、何を案内するのか。
一次ヒアリング、商談、フォロー、再提案をどのように進めるのか。
今すぐ商談にならない見込み顧客と、どのように関係を続けるのか。
ここまで整えて初めて、ホームページは営業資産として機能します。
SEO記事を増やすだけでは、問い合わせが増えない理由
SEO記事は大切です。顧客が検索したときに、自社を見つけてもらう入口になります。
ただし、SEO記事は、アクセス数を増やすためだけに作るものではありません。顧客が抱えている悩みを言語化し、「この会社なら相談できそう」と思ってもらうための入口です。
記事を読んだ後、関連するサービスページ、導入事例、資料ダウンロード、問い合わせフォームへ自然に移動できるようにしましょう。
検索意図に合う記事を書いても、その次の導線がなければ、読者は離脱します。SEO記事、サービスページ、事例、CTA、フォローをつなげることが大切です。
紹介営業とホームページは、どちらか一方ではない
紹介営業とホームページ集客は、どちらか一方を選ぶものではありません。
紹介で知った会社がホームページを見て安心し、事例や資料を読んで相談する。
そんな流れを整えることで、紹介の強さも活きやすくなります。
紹介営業が強い会社ほど、ホームページを整える価値があります。紹介者がすべてを説明しなくても、サービスページや事例を送れば、相手が自分で理解できる状態をつくれるからです。
また、紹介で知った会社を検索したときに、ホームページの情報が不足していると、せっかくの紹介を取りこぼすこともあります。
ホームページは、新規集客のためだけではありません。紹介営業の成約率や安心感も支えます。
「紹介営業だけに頼る会社が成長できない5つの理由|紹介を活かしながら安定受注をつくる方法」
ホームページから問い合わせを増やすには、営業とマーケティングを分けない
ホームページは、単独で成果を出すものではありません。顧客との接点から、問い合わせ、商談、受注までの流れの中で機能する営業資産です。
Web制作会社に依頼して、デザインをきれいにする。
SEO記事を増やして、アクセス数を増やす。
問い合わせフォームを短くする。
これらも必要な施策です。
ただし、顧客理解、サービス設計、強みの言語化、事例、資料、フォーム、営業フォロー、KPIがつながっていなければ、成果は安定しません。
たとえば、次の流れです。
認知・接点
↓
ホームページ・SEO記事・サービスページ
↓
事例・資料ダウンロード・セミナー
↓
問い合わせ・相談
↓
一次対応・ヒアリング
↓
商談・提案
↓
受注・継続提案
問い合わせ数だけでなく、商談数、受注数、受注率まで確認しましょう。
どのページから相談が生まれているのか。
どの資料が商談化につながっているのか。
どの段階で顧客が止まっているのか。
数字を見ながら改善することで、ホームページは営業・マーケティングの仕組みとして育っていきます。
「営業を仕組み化する方法|紹介頼み・社長頼みから抜け出す7つのステップ」
まとめ|問い合わせが来ない原因は、デザインだけではない
ホームページから問い合わせが来ないとき、デザインだけを変えても、根本的な解決にはつながりません。
顧客が知りたいのは、きれいなサイトかどうかだけではありません。
自社の課題を理解してくれそうか。
なぜこの会社に相談する価値があるのか。
依頼後にどんな状態へ変わるのか。
安心して相談できる実績や事例があるか。
問い合わせた後、丁寧に対応してもらえるか。
こうした情報と導線を整える必要があります。
ホームページ、SEO、事例、資料、問い合わせフォーム、営業フォローを別々に考えるのではなく、一つの流れとして整える。
それが、問い合わせ・商談が生まれ続けるホームページへ変えるための第一歩です。
ホームページを、問い合わせ・商談が生まれる営業資産へ
ホームページを作ったのに問い合わせが来ない場合、デザインだけを見直しても、成果につながらないことがあります。
誰に、どんな価値を、どのように伝えるのか。
顧客が安心して相談できる事例や実績があるか。
記事、サービスページ、資料、問い合わせフォームから、商談・受注までがつながっているか。
株式会社風ひらくでは、経営と現場のあいだに立ち、顧客理解、サービスの言語化、ホームページ・コンテンツの改善、問い合わせ導線、営業プロセス、KPI、会議体の設計、社内で回せる状態づくりまで伴走しています。
「ホームページをリニューアルしたが、問い合わせが増えなかった」
「紹介以外の新規相談も増やしたい」
「制作会社に相談する前に、何を見直すべきか整理したい」
そんな場合は、まず現在の問い合わせ導線を可視化するところから始めてみませんか。
この記事の著者

青野まさみ
株式会社風ひらく 代表取締役
マーケティングプランナー/ブランディングプロデューサー
サイバーエージェント、博報堂グループでマーケティング・ブランド戦略を経験後、スタートアップ企業の立ち上げに参画。
2019年に独立し、現在は「株式会社風ひらく」代表として、企業・個人あわせて年間200件以上のマーケティング・ブランド支援を行う。


