ライスワークとライフワークの違い|個人事業主が仕事をブレずに続けるための考え方

日々の業務や依頼対応に追われる個人事業主は、目の前の売上につながる仕事を優先しやすいものです。集客や発信、サービス改善に取り組みたい気持ちがあっても、緊急性の高い対応が続くと、将来につながる動きは後回しになりやすくなります。

このねじれをほどくには、「今日を回す仕事」と「将来を育てる仕事」を分けて捉え、判断の基準を整えることが欠かせません。そこで役に立つのが、ライスワークとライフワークの考え方です。時間や労力の使い方を整理しやすくなり、迷いが減っていきます。

本記事では、仕事の優先順位の付け方や、忙しい中でも続けやすい考え方を整理します。

あわせて、事業の方向性を整えながら進めたい方に向けて、伴走型で支援を行う株式会社風ひらくの取り組みにも触れていきます。

INDEX −目次−

ライスワークとライフワークとは?

ライスワークとライフワークは、仕事を整理する際に役割の違う考え方です。

ライスワークは生活を回すために欠かせない仕事で、安定した収入や継続性が重視されます。

いっぽうライフワークは、自分が大切にしたい価値観や、取り組み続けたいテーマに結びつく仕事だといえます。

どちらか一方に寄せて決め切るよりも、両方を同時に扱う視点のほうが事業は続きやすくなります。

収益を生む仕事と、軸となる仕事を並行して捉えることで、無理の少ない運営につながるためです。役割の違いを意識できるようになると、「今やること」を選び直しやすくなります。

ライフワークと似ている言葉との違い

ライフワークは「好きなこと」だけを指す言葉ではありません。楽しさや興味が出発点になる場合もありますが、仕事として続くかどうかは別の話になります。

やりがいや天職、使命感といった言葉と混同されやすい一方で、ライフワークは気分の高まりだけで決まりません。日々の業務や顧客とのやり取りの中で形が整い、時間をかけて育っていく点が特徴です。

理想や想いだけを切り離すのではなく、現実の仕事と結びつけて進めることで、事業の中に自然に組み込まれていきます。

BtoBマーケ担当の仕事には、売上や納期に直結する対応と、発信や商品設計、顧客理解といった積み上げ型の業務が同時にあります。

個人事業主でも、BtoB支援やマーケ代行などで「担当者の役割」を担う場面は少なくありません。問い合わせ対応や資料作成など、短期間で結果が求められる業務に時間を取られやすい一方で、発信内容の検討やサービスの見直しは後回しになりがちです。

ここでライスワークとライフワークの考え方を取り入れると、業務の役割が整理しやすくなります。

短期の成果を生む仕事と、将来の価値を育てる取り組みを分けて捉えることで、判断の迷いが減っていきます。業務を選び直す視点も持ちやすくなり、時間配分にも納得しやすくなるでしょう。判断の基準が整うことが、安定したBtoBマーケの取り組みを支えます。

個人事業主の仕事は役割分担が難しく、実務も判断も一人に集まりやすい構造です。依頼や割り込み対応が続くと、「こなすこと」が中心になり、仕事の手応えを感じにくくなります。

生活を回すための業務が増えるほど、目の前の対応が優先され、仕事全体がライスワーク寄りになりがちです。立て直しを進めるには、割り込みが起きる理由や業務が重なる場面を分けて捉える視点が欠かせません。

原因を分解して整理できるようになると、手を入れる場所が見えやすくなります。

返信対応や修正作業、納期への対応、トラブル処理などの緊急業務は、個人事業主の時間を大きく消費します。

即時の対応が求められる仕事が続くほど、発信や商品改善に向き合う余力は削られていきます。将来の売上につながる取り組みが進みにくくなり、忙しさだけが積み重なる状態になりやすいです。

目の前の対応を終えても余白は生まれにくく、追加の修正や確認が重なっていきます。対応中心の状態が続くと、仕事は常に追われる感覚になりがちです。

積み上げ型の取り組みが止まったままだと、改善の手応えを得にくいまま時間が過ぎていきます。

忙しさの原因が見えないままでは、同じ対応を繰り返す状態から抜け出しにくくなります。

今月の売上や先行きへの不安が強まると、行動や判断は短期の見通しに寄りやすくなります。受注状況や反応に意識が向き続けると、発信内容や条件が安定しにくくなり、事業の方針も揺れやすくなります。

価格を下げたり条件を緩めたりする対応が続くと、値下げや安請けが当たり前になり、負担だけが増えていきます。評価の基準が目先に偏るほど、判断は顧客の要望や周囲の動きに引っ張られやすくなります。外にある基準で決断を重ねる状態は納得感を削り、仕事のしんどさを強めます。

判断の基準が定まりにくいと、行動を振り返る視点も持ちにくくなります。長期の価値基準を持ちにくい構造が、判断のぶれと消耗感を積み重ねていきます。

ライスワークを回しつつ、ライフワークを育てる優先順位の作り方

ライスワークを回しながらライフワークを育てるには、日々の業務を前提にした設計が欠かせません。

理想だけで組み立てるのではなく、運営を止めずに将来につながる領域へ少しずつ時間を寄せる考え方が現実的です。

忙しい状況で一気に変えようとすると負担が増え、続けにくくなります。今ある業務の量を踏まえたうえで時間配分を見直すことが、両立の出発点になります。

この章では、将来につながる仕事へ確実に時間を回すための優先順位づけを整理します。

仕事を2分類する

仕事の優先順位を整える際は、業務を二つに分けて捉える方法が有効です。

短期の売上に直結する仕事には、納品作業や問い合わせ対応、既存顧客へのフォローなどが含まれます。今月や今週の数字を支える重要な領域であり、事業を回すうえで欠かせません。

いっぽうで、中長期で効果が出る仕事もあります。発信や導線の整備、商品設計、リピートにつながる仕組み作りなど、将来の安定を支える取り組みです。成果が見えにくいため後回しになりやすいものの、継続的な成長には欠かせません。

短期の仕事だけに時間を割くと状況は変わりにくく、不安が残りやすくなります。中長期の仕事に偏れば、日々の運営が立ち行かなくなります。

大切なのは、二つの仕事それぞれに「時間の枠」を用意することです。あらかじめ枠を決めておくと、将来につながる仕事も日常業務として回しやすくなります。


やらないことを決める

個人事業主のもとには、目的に合わない依頼や、効果が見えにくい施策が持ち込まれる場合もあります。受け続けるほど時間は分散し、将来につながる仕事に集中しにくくなります。

判断の基準として意識したいのは、売上だけでなく、事業の方向性や届けたい価値に合っているかどうかです。すべてを断る必要はありません。条件を調整したり、別の形を提案したりすることで、関係性を保ちやすくなります。

たとえば、対応範囲を限定する、時期を見直す、成果物の形を変えるなど、代替案を用意する姿勢が現実的です。

断る場面では、感情よりも条件を軸にして伝えるほうが角が立ちにくくなります。対応できない理由と、対応できる範囲をセットで示すことで、相手も判断しやすくなります。

やらないことを決める判断が、時間とエネルギーを守り、優先すべき仕事に集中することにつながります。

ライフワーク視点で、個人の仕事を続く形にする実践ポイント

ライフワークは、気持ちや想いだけで続けられるものではありません。仕事として継続するには、再現できる形に落とし込み、迷いを減らす仕掛けが必要です。

作業の流れや判断の基準を整理し、誰が見ても分かる状態に整えると、日々の判断が軽くなっていきます。進捗や成果を見える形で確認できるようにすると、続ける手応えも生まれやすくなります。

ライフワークを仕組みとして回す発想が、無理の少ない継続を支えます。

この章では、続けやすい形に整えるための実践ポイントを整理します。

顧客理解を資産にする

顧客理解を深めることは、ライフワークを続けやすい形に整えるうえで大切な資産になります。相談の場で使われた言葉や購入理由、途中でつまずいた点には、仕事を磨くヒントが多く含まれます。

聞いた内容を感覚で覚えるだけでは、広げ方に限界が出ます。メモや記録として残し、共通点や背景ごとに整理することで、再利用できる情報へ変わっていきます。

整理した顧客の言葉は、発信テーマや提案内容、商品改善に結びつけやすくなります。実際の表現を使うと、読み手の共感を得やすい文章にもつながります。

改善点を反映させるほど、仕事の価値は少しずつ磨かれていきます。

顧客の言葉を蓄積し続ける仕組みが、発信や商品づくりを安定して回す力になります。理解を積み重ねて仕事に戻していくことで、経験頼みの状態から、再現しやすい形へ近づいていきます。


発信と導線を積み上げる

発信を積み上げて成果につなげるには、単発で終わらせない考え方が欠かせません。SNSやブログ、メルマガ、資料作成を個別に進めても、相談や申し込みまでの流れが整っていなければ、手応えは得にくくなります。

大切なのは、発信ごとに内容をその場で考えるのではなく、テーマをそろえて伝える内容に一貫性を持たせることです。

あわせて意識したいのが導線の設計です。発信内容から相談ページ、サービス説明へと無理なくつながる流れを用意すると、行動につながりやすくなります。

サービスの対象や強みがはっきりしていれば、読み手の理解も深まります。テーマ・導線・サービス説明をそろえる意識が、発信の積み重なり方を変えていきます。

一つひとつの発信が線でつながることで、相談や申し込みへ自然に向かう流れが育っていきます。

ライフワークを整理し、短期対応と仕組み作りを両立する

ライスワークとライフワークの違いを目的で整理すると、仕事の優先順位は組み立てやすくなります。

生活を支える短期の対応と、将来につながる仕組み作りを分けて捉えることで、時間の使い方に迷いが生まれにくくなります。

短期の対応を止める必要はありません。日々の業務を回しながら、少しずつ仕組み作りへ時間を寄せる設計が、現実に合った進め方です。そのためには、仕事を二つに分けて枠を取り、「やらないこと」を決める判断も欠かせません。

一方で、設計や運用を一人で抱え続けることに負担を感じる場面もあります。方向性や優先順位の整理に行き詰まったときは、外部の視点を取り入れる選択肢も有効です。

株式会社風ひらくでは、個人事業主の状況に合わせて、短期対応と仕組み作りの両立を支援しています。

仕事を続けやすい形に整えたい場合は、
個人事業主向けコンサルティングの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の著者

青野まさみ

株式会社風ひらく 代表取締役
マーケティングプランナー/ブランディングプロデューサー

サイバーエージェント、博報堂グループでマーケティング・ブランド戦略を経験後、スタートアップ企業の立ち上げに参画。

2019年に独立し、現在は「株式会社風ひらく」代表として、企業・個人あわせて年間200件以上のマーケティング・ブランド支援を行う。

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